みなさんは全国に「所有者不明土地」と呼ばれる土地が存在することをご存じでしょうか?文字通り、所有者がわからない、誰の土地なのかわからない土地、それを「所有者不明土地」と呼んでいるようです。
その数、面積にすると九州を軽く越えるそうですΣ(゚д゚;)
テレビなどで所有者不明土地という言葉を耳にすることはちょくちょくありましたが、先日あるテレビ番組で特集をしていまして、改めてその問題を認識したところです。
そもそも、何故所有者がわからないのか?
不動産にはそれぞれ登記がなされますが、早い話し、その登記が「更新」されず、放置され続けた結果、現在の所有者が誰?なのかわからなくなってしまった状態を「所有者不明土地」というわけですね。
「更新」というのは、現所有者が亡くなるケース、いわゆる「相続」が最も関係してくると思いますが、相続人による新たな登記をしないわけです。
新たな所有者(相続人)での登記の更新を実施せず、何十年も放置した結果どうなるか?
なんでも最初が肝心とはよく言ったものですが、当然相続人は芋づる式に増えていきます。その土地を相続した認識すら無い相続人も出てくるでしょう。
現在の登記情報に記載のある情報だけでは、現在の所有者(相続人)にたどり着けないわけです。
では何故登記をしないのか?
相続して必要ないのであれば、すぐ売却してしまえばいいのに・・
そうすれば、売買時に登記は新しい所有者へと移転登記されるわけです。
しかし、現実は売却がうまく進められる土地ばかりではないようです。
売れない土地、行政に寄付すら出来ない土地、そのような土地に対して、費用をかけて登記をする気が起きないわけですね。気持ちはすごくわかります。
とは言え、「所有者不明土地」が冒頭にも書きましたが九州の面積を凌駕するというのは異常で、それにより道路の拡幅工事や行政の収用事業に支障が出たり、なにより近隣住民の安全、安心出来る環境整備に悪影響が出ていることが非常に問題なわけすね。
あと補足になりますが、所有者不明土地にかかる税金(固定資産税等)についても、これ、所有者不明ですから、行政も請求が出来ないわけです。
市の税収減という問題はありますが、何よりも公平に税金を負担している考え方からして、なんとも不公平感が否めません。
空き家問題も全国的に問題になっているのは周知のことかと思いますが、もちろん「空き家」についても同じ問題ははらんでいるわけです。むしろ所有者不明空き家が増えていくと、安全性や治安的な側面からも非常に大きな問題です。
そんな中で、行政と民間がタッグを組んで、「所有者不明土地」になってしまう前に新しい購入希望者とのマッチングを数多く出がけている、ある地域の紹介もされてました。
私共も、多くの売却査定依頼やご相談を頂戴いたしますが、現在、空き家、空き地となっている不動産を現所有者で活用する道や、新しい所有者へとつなげて行く道など、それがどんな場所にあるどんな不動産であれ、わたしたち不動産を扱う業者が考えることをあきらめては決していけない。
そんな風に改めて思いました。